注記が必要な事項
この記事のポイント
  1. 注記が必要な事項は8つ
  2. 記載事項がない場合は該当がないことを記載

注記とは

計算書類には学校の状況を開示するため脚注(注記事項を計算書類の末尾に記載すること)する必要があります。

記載が必要な事項

注記が必要な事項とは
①重要な会計方針
②重要な会計方針を変更した場合
③減価償却額の累計額
④徴収不能引当金
⑤担保に供されている資産
⑥翌会計年度以後の会計年度において基本金への繰入を行うこととなる金額
⑦当該会計年度の末日において第4号基本金に相当する資金を有していない場合、その対策
⑧その他学校法人の財政状態及び経営の状況を判断するために必要な事項
となります(学校法人会計基準第34条参照)。

①重要な会計方針 について

重要な会計方針に何が重要な会計方針か、について学校法人会計基準には記載がありませんが、文部科学省の通知があります。
(1)徴収不能引当金及び退職給与引当金等の引当金の計上基準
(2)その他の事項
  1.有価証券の評価基準及び評価方法
  2.たな卸資産の評価基準及び評価方法
  3.外貨建資産・負債等の本邦通貨への換算基準
  4.所有権移転外ファイナンス・リース取引の処理方法
  5.預り金その他経過項目に係る収支の表示方法
  6.食堂その他教育活動に付随する活動に係る収支の表示方法
 など

⑧その他学校法人の財政状態及び経営の状況を判断するために必要な事項 について

こちらも学校法人会計基準には記載がありませんが、同じく文部科学省の通知があります。
1.有価証券の時価情報
2.デリバティブ取引
3.学校法人の出資による会社に係る事項
4.主な外貨建資産・負債
5.偶発債務
6.所有権移転外ファイナンス・リース取引
7.純額で表示した補助活動に係る収支
8.関連当事者との取引
9.後発事象
10.学校法人間取引
 など

該当がない場合

①から⑧の記載が必要な事項について、該当がない場合もあります。例えば①重要な会計方針については記載事項がないことも考えられますが、通常記載されます。また、③減価償却額の累計額については学校法人が減価償却資産を保有していないことはまず考えられないため、毎会計年度記載することになるものと考えられます。一方で、②重要な会計方針の変更については、会計方針は徒に変更して良いものではなく、状況が変わった場合等会計方針を変更する場合が限られます。このため重要な会計方針は変更されない会計年度がほとんどで、該当事項がないことが多いことになります。
 この場合、②の記載事項を削るのではなく、該当がない旨の記載をします。結果として8つの注記事項については全て項目を記載することになります。

該当がない場合の例
注記のうち当該事項がない場合