
- 減価償却額=取得原価÷耐用年数
- ソフトウェアは管理用のものは減価償却の対象
受注できる学校法人への会計監査についてまとめたページです。ブログを読んで業務依頼をお考えの方はご覧ください。
減価償却とは
減価償却費とは固定資産を取得した場合に、その資産の可能期間の全期間に分割して経費にする手続です。
減価償却を行う資産は建物、構築物、教育用機器備品、管理用機器備品等で、土地や図書は減価償却の対象となりません。
計算方法
計算の基礎
減価償却計算に必要なのは、取得価額、耐用年数、起算日となります。
まず、取得価額は取得する際に払った金額で、資産そのものの価額(消費税を含みます)、据付けにかかった費用、試運転にかかった費用等を合算したものとなります。
次に耐用年数とはその資産が使用可能期間を見積もった期間ですが、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(財務省令)や「学校法人の減価償却に関する監査上の取扱い」(学校法人委員会報告第28号)によることが多いです。
また、起算日は取得した日で、使用可能となった日となります。この起算日は企業会計では供用日(資産の使用を開始する日)ですが、学校会計では取得した日からその資産の時間による滅失は開始していると考え、実際に使用開始していなくても減価償却計算をします。
計算方法
計算方法は定額法を用い、残存価額は0として取得価額÷耐用年数で計算します。企業会計や税法では償却率を乗じて計算しますが、学校会計では取得原価を耐用年数で除することによって計算します。
なお最後は1円を簿価として残しますので、最終年度は簿価-1円が減価償却費となります。
年度の途中で取得した場合
年度の途中で取得した場合は月割り按分をします。例えば12月に取得した場合、3月までは4か月ですので(取得した月は含めます)

となります。
但し、簡便な方法として、金額が大きくならない限り、
イ.年額の2分の1
ロ.翌年度から計算する
ハ.1年分計算する
といった方法によることもできます。経理規定がある場合にはそれに従ってください。
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グループ償却
グループ償却は総合償却のようなもので、学校の備品が多いところから簡便な減価償却計算を行うもので、取得年度ごとに同一耐用年数の資産をグループ化し,一括して毎会計年度償却をし,耐用年数の最終年度に当該機器備品について,現物の有無にかかわらず一括除却処理をする方法を採用することができます。
グループ償却は

で計算されます。
このグループ償却は、例えば耐用年数が5年で3年目に廃棄した時のような、耐用年数の途中で除却売却した場合、も(固定資産管理ソフトから資産を抹消するといった)除却の処理は行いません。 資産があってもなくても耐用年数の最終年度まで減価償却計算を行うことになります。
グループ償却の場合、個々の資産の簿価も計算できるので、除却が行われた場合、この簿価を控除するという考え方もありますが、総合償却自体が減価償却資産を簡便化して行うものである以上、個々の資産について簿価を再計算するのに手間がかかるため、除却の処理は行わずに最終年度まで減価償却計算するのが妥当でしょう。
ソフトウェアについて
ソフトウェアは企業会計ではその利用により将来の収入獲得又は支出削減が確実であると認められる場合資産として計上され、減価償却計算が行われます。
しかし学校会計では教育研究の質的向上等の目的で利用されるソフトウェアは将来の収益獲得又は支出削減が確実であるとは認められないことが多いです。
このため、教育研究の質的向上等が目的のソフトウェアは資産計上せずに発生時の費用として処理します。
一方、事務用ソフトウェアは業務の効率化を目的として使用することが多いため、将来の支出削減が確実であるかないかと判断し、将来の支出削減が確実であると認められれば資産として計上し、減価償却計算を行うことになります。
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