学生生徒ごとに管理する前受金の管理方法を解説します
この記事のポイント
  1. 前受金の管理方法
  2. 前受金の処理方法

 

学校法人における前受金とは

 前受金は学校法人で先に受取ったお金で、今年度中に受取ったものの翌年度以降の収入になる場合等に計上します。

前受金が発生する場合

 前受金が発生する例は授業料を含む学生生徒等納付金(以下、学納金)のうち翌年度以降の分を受け取った場合に翌年度以降分を前受金として計上します。

 入学金は通常翌年度の入学について受取るものなので、入学金として受け取ったものは全額前受金になります。

 学生生徒から振込があった場合、それが何に対する振込かを確認します。

 その学生生徒に対して未収金があった場合は、未収入金から充当します(未収入金の回収とします)。未収入金がなかった場合、未収入金を充当しても余剰があった場合でその学生生徒が今年度には卒業せずに引き続き学生生徒である場合に前受金となります。

 学校法人で授業料管理システムを導入している場合は授業料管理システムを用い、学納金を前受している学生生徒をシステムから出力します。学生生徒数が少ない場合は授業料管理システムを用いずに管理するので十分ですが、学生生徒数が多い場合は授業料管理システムを用いる方が良いでしょう。
 

前受金の管理方法

 前受金は学生生徒別に管理します。

 学生生徒からの学納金について学生生徒別にこの学生生徒からの前受けということを管理することになります。

授業料管理システムを用いている場合は特に問題ないとは思いますが、エクセル等で管理している場合は学籍番号で管理します。

 学納金のうち授業料、実験実習料、施設設備資金がある場合、授業料→実験実習料→施設設備資金の順に割付けます。授業料を最初に割付ければ残りは任意(重要だと思われる順)で良いでしょう。

 エクセル等で管理している場合は管理表で同時に未収入金も管理可能ですが、消込漏れなどにより前受金と未収入金に入り繰りが起こらないように注意が必要となります。

 授業料管理システムを用いている場合は前受金の一覧表を出力し、前受金の合計額と期末の前受金の帳簿金額と一致しているか確認します。エクセル等の場合も管理表の合計額と前受金の帳簿金額と一致しているかを確認します。

 一致していない場合は前受金の管理表への入力漏れや、帳簿の入力漏れの可能性があるため確認が必要となります。

前払金管理表作成例

 

期首の前受金の処理

 前年度末に前受金が計上されている場合、期首に収入に振替えます。管理表を確認し授業料の前受けは授業料収入に、実験実習費は実験実習料に、施設設備資金の前受けは施設設備資金収入に振替えます。

 また、前年度に受取った入学金は入学金収入に振替えます。
 

前受金を返還する場合

 なお、学納金を前受けしていた学生生徒が退学した場合に、前受けた授業料等を返還する場合は当年度の収入にはならないので、返還する金額は前受金のままにしておかずに預り金に振替えます。

 これは返還すべき金額を預かっている状態と考えるためです。